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愛のことば

第1章 愛のことば

         12

 直さんは、ティシュで、アイちゃんのまわりを拭いてくれて、わたしを抱きしめて、優しいキスをしてくれた。
 「わたし、
  あのね、
  嬉しい」
 「嬉しい?」
 「直さんが、
  ほんとに優しいから」
 「瞳ちゃんが、
  好きだからね」
 「もう、
  直さんでなくては、
  嫌」
 「よかった」
 「わたし、
  泣いちゃったね」
 「うん」
 「気持ちよくて、
  自然に、
  泣いちゃったの」
 「かわいかったよ」
 「ほんと?」
 「ほんとだよ」
 「わたしね、
  セックスが、
  あっ、
  愛しあうのが、
  こんなに気持ちいいとは、
  思わなかった」
 「そう」
 「そしてね、
  気持ちよくなったのも、
  嬉しいけど、
  わたしを、
  気持ちよくしようとする、
  直さんを、
  好きになったの」
 「ほんと?」
 「ほんとだよ」
 「あはは。
  さっきと、反対だね」
 「ほんとだ。
  うふふ」
 「あはは。
  うふふ」

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