
愛のことば
第1章 愛のことば
4
直さんは、自分の名前も言い、その後、わたしを、デートに誘った。
天麩羅の美味しい店があるから、つきあってくださいと。
そして、
「私は、
あなたに、
下心をもって、
誘っています。
それで、いいなら、
ご連絡ください」
と言って、わたしに、名刺を渡すと、出口の方へ歩いていった。
わたしは、キョトンとしていた。
下心があると言う人に、初めて会ったわ。
男性は、それを隠して、女性を誘うのだと思う。
ほんとに、なんでも言う人だわ。
でも、なんだか爽やかだわ。
言うか言わないかだけで、デートに誘うのは、下心があるよね。
と、職場に戻りながら、胸の内でそんなことを思っていた。
直さんと、デートした。
天麩羅は、ほんとに美味しかった。
その後も、何回か、デートした。
でも、直さんは、下心をあからさまにすることはなかった。
とても紳士的に、わたしとの食事を楽しみ、そして、ではまたね、と次の約束をすると、帰っていく。
とうとう、わたしから、聞いた。
「あの、
時枝さん、
下心があると言ったのは、
冗談だったの?」
「そうだね、
半分、冗談かな」
「半分?」
「綺麗な人を誘うのに、
下心がない男っていないよ。
でも、
瞳ちゃんと、
食事だけでもできれば、
それだけになってもいいなと、
思ってもいたよ」
わたしは、何と言っていいかわからなくて、
「そう」
としか、言えなかった。
直さんは、自分の名前も言い、その後、わたしを、デートに誘った。
天麩羅の美味しい店があるから、つきあってくださいと。
そして、
「私は、
あなたに、
下心をもって、
誘っています。
それで、いいなら、
ご連絡ください」
と言って、わたしに、名刺を渡すと、出口の方へ歩いていった。
わたしは、キョトンとしていた。
下心があると言う人に、初めて会ったわ。
男性は、それを隠して、女性を誘うのだと思う。
ほんとに、なんでも言う人だわ。
でも、なんだか爽やかだわ。
言うか言わないかだけで、デートに誘うのは、下心があるよね。
と、職場に戻りながら、胸の内でそんなことを思っていた。
直さんと、デートした。
天麩羅は、ほんとに美味しかった。
その後も、何回か、デートした。
でも、直さんは、下心をあからさまにすることはなかった。
とても紳士的に、わたしとの食事を楽しみ、そして、ではまたね、と次の約束をすると、帰っていく。
とうとう、わたしから、聞いた。
「あの、
時枝さん、
下心があると言ったのは、
冗談だったの?」
「そうだね、
半分、冗談かな」
「半分?」
「綺麗な人を誘うのに、
下心がない男っていないよ。
でも、
瞳ちゃんと、
食事だけでもできれば、
それだけになってもいいなと、
思ってもいたよ」
わたしは、何と言っていいかわからなくて、
「そう」
としか、言えなかった。
