テキストサイズ

愛のことば

第1章 愛のことば

         5

 嬉しかった。
 綺麗な人と、言ってくれた。
 食事だけでもいいと、言ってくれた。
 そんなことを言われて、嬉しくないわけがない。
 「でも、
  そろそろ、
  下心を言おうかな」 
 「言ってみて」
 「瞳ちゃん、
  私と、セックスしませんか」
 「また、
  ずいぶん、
  直接的ね」
 「名前が、
  直だからね」
 「わたしが、
  はいと、
  言えると思う?」
 「言えなくても、
  心の中で、
  思うでしょう。
  はいか、嫌かは」
 「それは…」
 「それでね、
  私でいいと思うのか、
  私がいいと思ってくれるのか。
  その、違いは、
  わかるでしょう?」
 「わかるわ」
 「いまは、
  瞳ちゃんは、
  私でもいいかなと、
  すこしは、
  思っているかもしれない」
 「うん」
 「それでね。
  私がいい、
  直でなくては、
  嫌。
  と思ってほしい」
 「なるように、
  したいわ」
 「ありがとう」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ