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愛のことば

第1章 愛のことば

         7

 わたしは、「直さんが、いい」と思いはじめた。
 わたしの思いを、真剣に考えてくれて、それを、わたしも一緒に考えていくようにしてくれる。
 そう思っているからか、デートのたびに、直さんに、ぐんぐん惹かれていった。
 そして、直さんと、食事ができなくなると思うだけで、悲しくなった。
 このまま、わたしが、でもでもと思い続けたら、そうなるだろう。
 それは、ほんとに、嫌だ。
 悲しい。
 そうなのだ。
 直さんでなきゃ嫌なのだ。
 直さんが、いい。
 直さんと、セックスしたい。
次のデートで、そう言おう。
 そして、言った。
 直さんは、
 「嬉しい。
  瞳ちゃん、
  ありがとう」
 「ううん。
  ここまで待ってくれて、
  わたしこそ、
  ありがとう」
 わたしが、直さんの家に泊まりにいくことになった。
 直さんは、バラを飾り、ムードのある音楽をかけて、シャワーのあと、バスタオルだけになっているわたしを、お姫さま抱っこして、布団に運んでくれた。
 抱きあって、顔を見合わせて、
 「なんだか、
  テレるね」
 「うん」
 二人とも、クスクス笑った。

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