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愛のことば

第1章 愛のことば

         8

 それから、直さんは、いっぱい話した。抱きあったまま。
 わたしは、きょうは、抱きあって、それで終わるのかなと、思うくらい、ずっと話し続ける。
 それでも、直さんと、抱きあっているというのを、わたしは、意識していた。
 そのうち、直さんと、抱きあっているのが、当たり前のことと思いはじめた。
 わたしが、そう思ったのがわかったかのように、直さんが、髪を撫で、耳に触れ、首すじを撫でてくれる。
 それも、当たり前と思いだしたとき、キスしてくれた。
 すこし、抱く力を強くして、フレンチキスから、ディープキスに移る。  
 またしても、きょうは、キスが目的だったのか、と思うくらい、ずっとキスしてくれる。
 「瞳ちゃん、
  キスは、
  キスでいいの?」
 「うん。
  ひとつくらいは、
  エッチでいいね」
 「キスが、
  エッチ?」
 「女の子は、
  そうなの」
 「白雪姫に、
  王子がキスするのも、
  エッチなんだ」
 「原作では、
  そうみたいよ」

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