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愛は、メロディにのって

第1章 愛は、メロディにのって

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 「百合さん。
  もっと気持ちよくなるところを、
  吸うよ」
 あっ、あれだと思いました。
 望さんの舌が、あれに触れたとたん、わたしは、
 「あ~」
 と、おおきな声をあげてしまいました。
 望さんの舌は、あそこを散歩するときと同じように、さわさわと触れてくれています。
 わたしは、首を振り、胸をくねらせ、望さんの頭をつかんだりしたのですが、腰は動かしませんでした。
 腰を動かせば、望さんの舌が、離れていってしまうと思ったからです。
 それは、嫌。
 強くないのに。
 さわさわなのに。
 どうして、こんなに気持ちがいいのかしら。
 天国にいったら、こんな感じなのかしら。
 そうだ、望さんが、いまわたしを、天国につれていってくれているんだわ。
 そうにちがいない。
 ありがとう、望さん。
 望さん、ほんとにありがとう。
 嬉しくて、気持ちよくて、わたしは、泣いてしまいました。
 「え~ん、
  え~ん」
 と、まるで子どものように。
 いつまでも。

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