
愛は、メロディにのって
第1章 愛は、メロディにのって
3
望さんは、あまり熱心な生徒さんでは、ありませんでした。
仕事柄、忙しいと言っていたので、しかたないことです。
でも、音楽が好きだということは、わかりました。
それも、チャイコフスキーやワルツなど、メロディのきれいな曲が好きだと言いました。
わたしと同じでした。
わたしと望さんは、その他の曲も音楽以外でも、好きなものが一緒というのが多かったのです。
そんなある水曜日、小学三年生のなつみちゃんが怪我をしました。
よそ見をしていてピアノの蓋を閉じたので、指を挟んでしまったのです。
ウワーンと泣き声がしたので見ると、なつみちゃんの左手から血が床に垂れています。
救急車と誰かが叫びましたが、
「いや、
この先の服部外科がいい。
救急車は連絡したりして時間がかかるし、
総合病院に行く」
望さんが、なつみちゃんに、
「おじさんが、連れていってあげるね」
そして、わたしに、ほかの子どもたちは帰して、なつみちゃんのお母さんに連絡をしてと言いました。
「先生。
慌てないで、
鍵をかけ忘れないで、
後で来てください」
そう言いながら、泣きじゃくっているなつみちゃんに、タオルで押さえていてねと言い、抱きかかえて服部外科に速足で向かいました。
痛いよね。そうか痛いよね。大丈夫。病院ですぐみてもらおうね。と優しく言いながら。
望さんは、あまり熱心な生徒さんでは、ありませんでした。
仕事柄、忙しいと言っていたので、しかたないことです。
でも、音楽が好きだということは、わかりました。
それも、チャイコフスキーやワルツなど、メロディのきれいな曲が好きだと言いました。
わたしと同じでした。
わたしと望さんは、その他の曲も音楽以外でも、好きなものが一緒というのが多かったのです。
そんなある水曜日、小学三年生のなつみちゃんが怪我をしました。
よそ見をしていてピアノの蓋を閉じたので、指を挟んでしまったのです。
ウワーンと泣き声がしたので見ると、なつみちゃんの左手から血が床に垂れています。
救急車と誰かが叫びましたが、
「いや、
この先の服部外科がいい。
救急車は連絡したりして時間がかかるし、
総合病院に行く」
望さんが、なつみちゃんに、
「おじさんが、連れていってあげるね」
そして、わたしに、ほかの子どもたちは帰して、なつみちゃんのお母さんに連絡をしてと言いました。
「先生。
慌てないで、
鍵をかけ忘れないで、
後で来てください」
そう言いながら、泣きじゃくっているなつみちゃんに、タオルで押さえていてねと言い、抱きかかえて服部外科に速足で向かいました。
痛いよね。そうか痛いよね。大丈夫。病院ですぐみてもらおうね。と優しく言いながら。
