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突然の出逢い ( N×M )
第1章 Anemone .
「え?今、何て...。」
「だーかーら俺のこと好きになればいいじゃないですか。この世の中一目惚れっていうのあるんだから。」
二宮さん...耳真っ赤...。
もしかして本気?
色々考えて返事を言えないでいると、
「すみません、二宮さん。他の方から指名が入りました。」
横からウェイターさんがそう告げる。
「まじかー。すみません、松本さん。俺行かなきゃ。」
「あ、はい。今日はありがとうございました。」
「いえ、こちらこそ楽しかったです。」
さっきのことは何も無かったかのように
淡々と会話が続く。
「じゃあ、また...。」
こっちも急いで雅紀が待ってるほうに行こうとすると、
「待って!」
「はい?」
急に呼び止められた。
「何か、さっきはよく分からなくなっちゃったけど俺本気なんで。良かったら連絡下さい。」
ぎゅっと連絡先を書いた紙が握らされ、
二宮さんは足早に去っていった。
「松潤良かったじゃん!二宮さんに連絡先教えてもらって。二宮さんってここのNo.1だよ?」
いつの間にか横に雅紀がいて興奮してるもよう。
「そうなんだ...知らなかった。」
「もうちょっと喜ぼうよ〜」
喜ぼうって言われても俺どうしたらいいか分かんない。
メールしたらいいだけなのに。
「俺、本気で受け取っていいのかな...。」
色々揺らぐ気持ちを持ちながら
ホストクラブを後にした。
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