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突然の出逢い ( N×M )

第1章 Anemone .


N side



「はぁ〜...。」




「何、まだ連絡来ないの?松本さんだっけ。」





「まぁ、うん...。」





「こっちから連絡したらって言いたいけど相手の連絡先知らないんならなぁ。」





「そうなんだよね...。」






親密になって相談に乗ってくれる
翔くん。





俺が松本さんに一目惚れした
って言ったら嫌な顔ひとつせず応援してくれてる。





けど応援も何もクラブで会ってからなんの進歩もない。






松本さんと一緒に来てた常連の相葉さんは
よく来てくれるけど松本さんは来てくれないし。






「俺、雅紀を通して松本さんと連絡取れるようにしてあげようか?」






「何か強引になっちゃうから
ごめん大丈夫。」





「二ノって恋愛になるとすっごい慎重だよね。あんだけクラブではクールに素早く対応してんのに。」






「自分でも何かびっくりしてる(笑)」






それほど本気なのかもしれないな。




今までの恋愛は気になった人がいれば
自分からグイグイいってすぐに自分のものにしてた。



それが当たり前だった。




「恋愛って案外思うとおりに行かないかも...。」




「そりゃそうだよ。頑張ってアピールとかして、やっと気付いてもらって相手のことをよく勉強して自分のことを必要としてくれてる存在にならないと恋愛で叶わないと思うなぁ。」




相手のことをよく勉強する。か。



そういえば俺、松本さんのこと何も知らないな。




「翔くん。まずはさ、やっぱ相葉さんと連絡を取って松本さんのことを知るってどうかな?」






「いいと思うよ。協力する。
でもあんま親密になりすぎんなよ?」





「ありがとう。俺、松本さんに本気に好きになってもらえるよう頑張ってみる。」




親密になりすぎる
っていう意味がいまいち分からなかったけど
翔くんのおかげでようやく本物の恋愛が出来そう。



一刻も早く松本さんに会いたい。

一刻も早くふさわしい男になりたい。


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