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突然の出逢い ( N×M )

第1章 Anemone .


N side



思いきって聞いた松本さんの連絡先。






あの日からもう1ヵ月。
松本さんの姿すら見ていない。






こうなったら俺から行動しなきゃ。




他の誰かにとられてしまう。





震える手で番号を打っていく。






どうか、出てくれますように...。





1回。2回とコール音が鳴る。






「もしもーし」





出てくれた!






けど...。




「誰...?」





松本さんの声じゃない。






「あ、潤の友達?
待って、代わるから。」






” 潤、電話だよ。”


” ん〜さとしぃ〜。離れちゃやだぁー”


” 何酔ってんの。ほら電話。”







電話の向こうから聞こえた会話。







勇気を出して掛けたのに






俺は無意識に電話を切っていた。





遅かったのか...。

松本さんは既に誰かのものに...。







俺は携帯を握りしめ
静かに泣いた。



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