こいぐるい
第1章 おんな
『うそだーーー!!!』
急に心臓を、鷲掴みにされた感覚だった。
《いや、知らないよ!?
でも飲んでた時に、遠距離の彼女いるーみたいな話してなかったっけ…?》
真衣のひと言、ひと単語が、
繋がるたびに
パキパキと、あたしの中の鏡が割れる音がした。
『遠距離の、彼女…遠距離の、彼女…??』
そうだ、そんなこと言ってた気もする…。
いや、まて、そういえばあたし…
『ヒロシとイチャコラする直前で、聞いたんだよ!彼女いるんでしょ?って!』
《ほぅ、そしたら?》
『そんなんいない
って、たしかにこの耳で聞いたんだって!!』
付け加えて、
どうせ遊びなんでしょ?
とも聞いたさ。
そのときは、
遊びでこんなんするか。
っつって…
『結局…
嘘やったんかい!!!!』
《急に関西弁どうした。》