Fake it
第8章 ASK
【智side】
テレビ局のいつもの楽屋で。
イスを一つはさんで並んで翔君と座ってたから、二人で身体を斜めにして、横を向くように見つめ合ってた。
「とにかくっ
俺らはまだ守りに入る年じゃないからっ
大人ぶってカッコつけても逆にカッコ悪いよ
いつも言ってるけど
俺は、ずっと味方だからね!」
向い側で立ち上がってた相葉ちゃんが、電話で話しながらドアの方へ移動する気配がして。
やがてドアがパタンと閉じる音が聞こえた。
「…………」
「…………」
オイラ、翔君にずっと言ってなかったことがある。
言ったらいけないと思ってたし。
拒否されるだろうと思ってたから。
そしたらもう、メンバーとしてでもそばに居られなくなるって。
でも実際には、ちゃんとオイラ達は続いてきた。
ありがとう、翔君。
言わなくちゃ。
と思うんだけど。
みっともなく泣いてしまいそうだから、黙って翔君の顔を見てた。
「智君…」
「…………」
大きくてキレイな目を伏せて、翔君がオイラを呼ぶ。
そのくっきりした二重目蓋や、まつ毛の形が大好きだ。
額にかかる前髪の感じも。
感情が素直に出てしまう眉や、唇も。
何年見ていても、見飽きることがない。
重ねられた手に、ぎゅっと力が入った。
いつもいつも、オイラに優しく触れてくれた翔君の手。
この手を失うのが怖くて、身 体 だけの付き合い、って装って来たんだ。
「俺、貴方のこと…」
翔君が大きく息を吸って、止めて。
「愛してる」
オイラを真っ正面から見ると、囁くみたいに言った。
テレビ局のいつもの楽屋で。
イスを一つはさんで並んで翔君と座ってたから、二人で身体を斜めにして、横を向くように見つめ合ってた。
「とにかくっ
俺らはまだ守りに入る年じゃないからっ
大人ぶってカッコつけても逆にカッコ悪いよ
いつも言ってるけど
俺は、ずっと味方だからね!」
向い側で立ち上がってた相葉ちゃんが、電話で話しながらドアの方へ移動する気配がして。
やがてドアがパタンと閉じる音が聞こえた。
「…………」
「…………」
オイラ、翔君にずっと言ってなかったことがある。
言ったらいけないと思ってたし。
拒否されるだろうと思ってたから。
そしたらもう、メンバーとしてでもそばに居られなくなるって。
でも実際には、ちゃんとオイラ達は続いてきた。
ありがとう、翔君。
言わなくちゃ。
と思うんだけど。
みっともなく泣いてしまいそうだから、黙って翔君の顔を見てた。
「智君…」
「…………」
大きくてキレイな目を伏せて、翔君がオイラを呼ぶ。
そのくっきりした二重目蓋や、まつ毛の形が大好きだ。
額にかかる前髪の感じも。
感情が素直に出てしまう眉や、唇も。
何年見ていても、見飽きることがない。
重ねられた手に、ぎゅっと力が入った。
いつもいつも、オイラに優しく触れてくれた翔君の手。
この手を失うのが怖くて、身 体 だけの付き合い、って装って来たんだ。
「俺、貴方のこと…」
翔君が大きく息を吸って、止めて。
「愛してる」
オイラを真っ正面から見ると、囁くみたいに言った。