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俺の男に手を出すな

第3章 ガネーシャ

【智side】

獺祭て、美味いよねぇ。
美味い酒には、ほんとに気を付けないと(うぅ…)。

インドの神様が我が家にやって来た晩、俺たちは、いつになくはしゃいで酒盛りをしてしまった。

初めに、封を切って最初の一杯をガネーシャ様にお上げして。

「一応、神様の像だから、ご挨拶はちゃんとしよ?」

俺が言ったら、翔君もニコニコして手を合わせてた。

元々、神仏方面については、翔君は俺がすることに何も言わないし、特別な興味も持たないんだけど。

なんか、アリヨシさんから、この神様にお願いしたら叶った、って話を聴かされたらしいんだな。

「凄い叶えてくれるんだって~、だから俺もお願いするんだぁ~」

って、いつになく乗り気というか、やる気と言うか。
まぁ、可愛かったんだよね。

じゃぁ、ま、いっか、と俺も思って。





そこから二人で普通に飲み始めたんだけど。

この間翔君が事務所で仲が良いメンバーと飲んだ時の話になって、それがくだらないのに、やったら面白かったから大笑いしちゃって。

ちょっとしたお祝い事があって、店からシャンパンが振舞われたそうなんだけど。

いたずらして密かにブンブン振っておいたボトルを後輩の〇〇に開けさせたら、凄い勢いよく中身が飛び出してきて、こぼしたらマズイと焦ったのか、そいつが思わず瓶に自分の口をつけちゃった、って話から始まり。

しかも、瓶を咥えたものの炭酸の勢いが凄かったらしく、次の瞬間には、そいつの鼻の穴からシャンパンが流れ出て来たそうで。

見ていたみんなが一斉にギャ~!って叫んだ、って言うからさぁ。

また、その後輩ってのが良いキャラなんだよ、愛されキャラっていうか、いじられ役で。

俺は不参加だったんだけど、その場にいた他の奴の突っ込みとか、後輩が瓶を咥えた時のひょっとこ顔を翔君が真似するのが、おっかしくって。

くだらねぇ、って言いながら二人でゲラゲラ大笑いしてるうちに、馬鹿な話がどんどん出て来て、調子良く酒が進んで。

酔っちゃったんだよなぁ。





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