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俺の男に手を出すな

第5章 お狐さま

【智side】

「そうか、オオノの家の子供か
幼いのに信仰心があるのだな
感心なことだ
翔次、聞いたであろ?」

「翔太は人の子に甘い
そいつオレには挨拶しなかったぞ」

そうなのか?って翔太さまが面白そうにオイラを見たからさ。

やべ、って思って、慌てて翔次さまにも挨拶して頭を下げた。

「小さいお狐さま、オオノサトシです」

言ったら翔太さまは吹き出して笑ってた。

子供のお狐さまは顔を赤くして、口をとがらせててさ。
尻尾をぶんと揺らして。

「小さいは余計だ」

ぷいっ、って横向いちゃってて。

「さっきは泣いてるときに
話し掛けてくれてありがとうございました
小さいお狐さま、優しいんだね」

「だはっ!」

翔太さまが、また笑って。

翔次さまに小さい、って言ったらいけなかったみたいなんだけどね。

オイラ、子供だったから何回も言っちゃった(笑)。





「小さい言うな、翔次だ」

「名前で呼んでもいいの?」

「特別だ」

大きいお狐さまを見上げたら頷いてて。

「我のことも翔太と呼んで良い
真名は教えられぬが仮名をお前にやろう」

「わあ!すげぇ
翔太さまと翔次さまだね!」

オイラ、嬉しくてピョンピョン飛び跳ねたよ。

翔太さまがニッコリ笑って、手を繋いでくれた。

「大神様のところへ連れていってやろう」

「夕暮れだからな
特別だぞ、サトシ」







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