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俺の男に手を出すな

第5章 お狐さま

【智side】

オイラはさっきっから、地べたに胡坐をかいて座って。
目の前で可愛く揺れる翔君のぷりケツを、頬杖をついたまま堪能してる。

場所は横浜。

真昼間の公園。

ニットのワッチ帽をかぶって、顔にはマスクと眼鏡。
ワーキングパンツの上にパーカーを2枚重ねに着て。

更に釣り用の防寒ジャンパーを着た、ほぼお揃いの格好をしてる俺達。
実は職業アイドルの男2人。

ビジュアル的には大分あやしい。






たまにしかない二人揃っての休日に、一体何をしてんのか、って?

んとね、四つ葉狩り。
あ、紅葉狩りは摘まないで見てるだけって言ってたから、四つ葉摘みになんのかな?

世間は平日の午前中で、季節は冬で。

海からの風が結構冷たい中を、30代のおっさん2人で地べたに座り込んでさ。

なんでこんな乙女なことをやってるんだろうなぁ。
って正直オイラも思うんだけどねぇ。





オイラの目の前でペタンと大地に正座してる翔君は、さっきから四つ葉のクローバーをメンバー分集めるんだ、って夢中になって地面を見つめてる。

翔君が膝を使って移動するたびに、目の前で揺れるぷりケツ。

好い眺め~。





じゃなくて。

「翔、そろそろ止めないとケツが風邪引くぜ?」

「だって、あと1個なんだよ
俺頑張るから、もうちょっと待ってて
智君が見つけるの早過ぎるの」

「だから、あん時はお狐さまに助けていただいたんだよ」

昨年末に収録した時には、かなり寒かったし。
女性の参加者もいたからさ。

巻きで終わるようにお願いしたんだ。
お陰で事故もなく撮影も順調で良かったけどね。

せっかく集めた四つ葉のクローバーは、ボードに貼って使うから、って取り上げられちゃって。
その後もオイラの手には戻らなかったの。

メンバーと、あとマネージャーにあげようと思ったんだけどね。
ま、みんな別に、そんなに欲しくもないだろうし。
もらっても始末に困るかもしんないし。

番組のネタだしな、って思ってたんだけど。

翔君は、欲しかったんだって。








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