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俺の男に手を出すな

第5章 お狐さま

【智side】

「ほら、話の続きしてよ
お稲荷さんの神様には会ったんでしょ?」

振り返って催促してきて。

ぷりケツの向こうに、あの時会ったお狐さまにそっくりな顔があって。

ふふっ。

可愛いったらない。





「会ってご挨拶したよ」

「どんな感じだったの?」

「凄い優しい神様だったよ
お稲荷さんの神様はさ
元々は眷属さんから始まって
沢山修行をしてから、お社に神様としてお入りになるの」

「ジュニア時代があるってことだね
デビューして神様になるんだ
じゃぁ、デビューするまでも大変だし
デビューしてからも大変だね」

ぷっ。
神様の世界の話なんだから、俺らと一緒に出来ることじゃないけどな(笑)。

「まぁ、そうなんだろうね」

心の綺麗な翔君は、ふーん、そっかぁ、などと言いつつ四つ葉のクローバーを探し続けてる。

オイラは翔君の脇に座ってる白い直衣を着たお狐さまと目を合わせた。

お狐さまの話を始める時に心の中でお許しを願ったら、翔太さまがここまで様子を見に来てくださったんだ。

翔君にそっくりな顔で、さっきから面白そうに俺達2人の話を聞いていらっしゃる。

「デビューしてもCDが売れないとかないの?」

「あるよ
神様になってからも修行は続くんだって
人間の願いを叶えることは修行の一つだから
参拝客が少ないと修行がはかどらないみたい」

「ああ~、そうだよね
ファンあっての活動だもんねっ」

体を起こした翔君が、わかる、わかる、って頷くのを翔太さまが微笑んで見ていらした。













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