狂恋 ~狂おしい恋に身を焦がす~【BL】
第1章 10年ぶりの再会
そう…アイツはオレを追ってきたんだ。
利人の所属先は営業。
オレの所属は事務で、ほっとした。
朝、利人の紹介が終わってからというもの、社員達は利人の噂で持ちきりだった。
オレは視線をパソコンに向けながらも、噂には耳を立てていた。
何でも利人は本社の営業部にいて、成績もナンバー1だったらしい。
ところが同じ営業部でも、この会社の成績は下降まっしぐら。
それを改善する為に、利人が派遣されたというわけだ。
期間は今日から一年間。
それが終われば利人は本社に戻るらしい。
…どっから情報が流れてくるんだか、と呆れていたが、それは休憩室で判明した。
先に休憩していた女性社員二人組みがいて、利人について話をしていた。
どうやら他の女性社員が利人に直に聞いて、その話をいろんな人に言い触らしているみたいだ。
相変わらず女性にはとことん優しいんだな。
「はぁ…」
オレはその場を離れ、自動販売機が置いてある廊下に向かった。
缶コーヒーのブラックを買って、休憩室に戻ると、さっきまでいた二人組みはいなかった。
他に人もなく、オレは一人でイスに座った。
すると間も無く、扉が叩かれた。
「どうぞ」
声をかけて、扉が開いた。
「―久し振りですね。雅夜まさや」
そしてすぐに後悔した。
「利人っ…!」
オレが今、一番会いたくない人物が、目の前に現れた。
落ち着けっ…!
取り乱すことはない。
アレから十年も経っているんだ。
お互い、大人なんだから。
「…久し振り、だな」
利人の所属先は営業。
オレの所属は事務で、ほっとした。
朝、利人の紹介が終わってからというもの、社員達は利人の噂で持ちきりだった。
オレは視線をパソコンに向けながらも、噂には耳を立てていた。
何でも利人は本社の営業部にいて、成績もナンバー1だったらしい。
ところが同じ営業部でも、この会社の成績は下降まっしぐら。
それを改善する為に、利人が派遣されたというわけだ。
期間は今日から一年間。
それが終われば利人は本社に戻るらしい。
…どっから情報が流れてくるんだか、と呆れていたが、それは休憩室で判明した。
先に休憩していた女性社員二人組みがいて、利人について話をしていた。
どうやら他の女性社員が利人に直に聞いて、その話をいろんな人に言い触らしているみたいだ。
相変わらず女性にはとことん優しいんだな。
「はぁ…」
オレはその場を離れ、自動販売機が置いてある廊下に向かった。
缶コーヒーのブラックを買って、休憩室に戻ると、さっきまでいた二人組みはいなかった。
他に人もなく、オレは一人でイスに座った。
すると間も無く、扉が叩かれた。
「どうぞ」
声をかけて、扉が開いた。
「―久し振りですね。雅夜まさや」
そしてすぐに後悔した。
「利人っ…!」
オレが今、一番会いたくない人物が、目の前に現れた。
落ち着けっ…!
取り乱すことはない。
アレから十年も経っているんだ。
お互い、大人なんだから。
「…久し振り、だな」