オオカミは淫らな仔羊に欲情する
第4章 パーティーの夜に
―― 笙野家・外観、夜。
邸内から漏れ聞こえてくる音楽・J-POPや
韓流スターのヒット曲。
かなり大人数の人々のざわめき ――。
玄関ドアは開放されていて、
人の出入りも頻繁。
*** ***
リビング ~ 中庭。
最新ポップス&ロックが、
大音響でガンガンに流れている。
混み合っているゲスト達は皆平均10代後半の
学生と、20代前半の社会人風。
室内の雰囲気にやや気押され気味で
壁際に立っている絢音と、友人・和美。
「――やだ、アレS組の風祭くん? ア、それに、
山田先輩も来てるぅ~」
「ね? やっぱ来て正解だったでしょ」
「――うん☆」
*** ***
絢音も和美もそれぞれのパートナーと体を密着させ
チークダンスを踊っている。
絢音のパートナーはもちろん裕だ。
女性の扱いはかなり慣れている風の裕は、
早速絢音の背に回している手でそのまま絢音の体を
ゆっくり撫でている。
そして2人はごく自然にキスをする。
裕が絢音の耳元で何やら囁いた。
絢音は微笑む ―― 花のように。
そうして2人はゆっくり一方へ姿を消した。