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オオカミは淫らな仔羊に欲情する

第7章 露呈、そして話し合いの席で ――


「もっと大きな声で謝りなさいっ」

『ちょっと待って下さい』

 
 そう言ったのは千尋義兄さんだ。
 

「千尋くん、キミは黙って ――」

「あぁ。今回の事じゃ奏にも思慮に欠ける行為が
 あったし、俺にも監督不行き届きの責任はあるから
 黙ってるつもりだったが。最近のガキは親に言われ
 なきゃ謝る事も出来んのかと思ったら、無性に
 腹が立ってな」
 
 
 すると、裕のお父さんがうちに来て初めて
 その本音を露わにした。
 
 
「今、あなたはお宅のお嬢さんにも至らなかった点は
 あると認められたが、その通り。もしや、お嬢さんが
 うちの裕をたぶらかしたんじゃないですか」
 
「何っ」「何だとっ!!」


 その言葉にはうちの父と千尋義兄さんがいきり立った。  


「あなた、何て事を……」


 裕とうちのお母さんだけがオロオロと狼狽えている
 
 もう、何もかも滅茶苦茶だ。

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