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オオカミは淫らな仔羊に欲情する

第17章 セカンドキッス

 キラキラして見えたり、触ってみたくなったり……
 所かまわず押し倒したくなったり ――っ、

 急に真顔になった各務が自分をじっと凝視
 しているので、絢音はなんだか不安になる。


「……セン、セ?」


 (まいった。すっげぇ、可愛い……)


 絢音の華奢な体はちょっと力をこめ引っ張った
 だけで、いとも容易く自分の腕の中へすっぽり
 収まった。


「センセ ―― っ」


 その肩を抱いた手にゆっくり力をこめていくと、
 絢音の体はほんの少し強張った。

 普段どんなに虚勢を張ってはいても、
 根は20才の純情な娘なのだ。
   
 だから、強欲と血にまみれた自分の手では
 穢したくなかった。


 (やべぇ ―― めっちゃキスしたい……)


 その時、たまたま女子高生のグループが
 土手を上がってきたので、2人はパッと離れた。


 が ――、
  
 
『ちょっと、今のアレ、見た?』

『見た見たっ。やっぱアレってリアル**よね~』

『すんごくイイ雰囲気だったじゃん』

『やぁん、なんだか変な想像しちゃうじゃなーいっ!』


 ヒソヒソ話す女子達の声は、
 各務と絢音にもかろうじて届く。


 (―― 女子、怖っ……)


「……え、えっと、そろそろ、車へ戻るか」

「あ、う、うん、そうね……」

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