
オオカミは淫らな仔羊に欲情する
第17章 セカンドキッス
女子高生達の思わぬ水入りで、
絢音と各務の興奮は中途半端に削がれた形
となったが、自宅へ向かう途中の車内は
2人きりなので。
外見上は平静を装ってはみても
お互い必要以上に意識し合っているのが
明白で……。
(この沈黙、何とかなんないかな……)
(くっそ ―― 何なんだよ……
さっきから心臓バクバクいって止まんねぇし、
口から飛び出ちまいそうだ……)
(そっか! こうゆう時はまず年下の私から
なんか話しを振らなきゃ……
って、なに、話せばいいんだろ……)
(絢音の奴、さっきはぜってぇ勘違いしたよな。
実際問題、あの邪魔が入らなきゃ、
マジやばかったんだから)
(お願いだから何か話してよ)
(しかし……絶好のチャンスを逃したような
気もしなくはない……)
そうこうしているうち、各務運転の車は無事
絢音のアパート前に到着した。
2人はそれぞれ違った意味で深くため息をついた。
((はぁ~っ、やっと着いたよ……))
