オオカミは淫らな仔羊に欲情する
第17章 セカンドキッス
しかし!
絢音がドアのロックに手を伸ばしたのが
合図だったように、
各務は絢音の体をグイっと引き寄せる。
ごく自然と2人は間近で見つめ合うような
感じになり。
各務は、いつもはほぼ前髪で隠れてしまっている、
絢音の見開く大きな瞳をじ~っと見つめた。
「な、何……?」
各務は絢音の顔からメガネを外し、
ダッシュボードの上へ。
「だから、何なんのよ?? メガネ返して」
(……んと、オレ、何やってんのやろ……
自分でもよう分からん……)
「……センセ?」
何かを訴えかけるような絢音の真っ直ぐな瞳を見て
各務の中でガラガラと理性の崩れ落ちる音がした。
「わっ!」
小さな悲鳴を上げた小さな唇は各務に塞がれ、
それきり声どころか吐息すら吐き出すことが
出来なくなった。
”ヤベェ、止まんない……”
貪るようなキスをしながら各務の頭の片隅には
そんなことがチラッと過った。
突然の事でさすがにパニくった絢音は、
必死に体を捩って各務から逃れようとするが。
それを許さないとでもいうように、
各務は素早く絢音側のシートベルトを外し
シートを倒して、各務の大きな体が絢音の体に
覆い被る。
”あぁ、マジにヤベェよ……どーする? おれ”