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SO短編集

第4章 You are my precious.~智~

【智side】

裸足のままペタペタと歩いてキッチンへ行って。

のどを潤した後、グラスを片手に窓際へ向かう。

音を立てないようにカーテンを開けると、朝はまだ遠いのがわかった。

床暖が入っているとは言え、Tシャツだけだと、やっぱり冷える。

もうすぐ闇がだんだん白っぽくなって、やがて嘘みたいなオレンジの光が現れるんだ。

いつかまた、翔くんと一緒に水平線から昇る日の出を見られたらいいな…。

懐かしいあの島の夜明けを思い出していたら、背中から声がかかった。

「智くん、何してるの…?」

どこか責めるような響きをまとった発声。

振り向くと怖い顔で立っている。

「ごめん、起こした?
目が覚めちゃったから、水飲んでた」

手に持ったままだったグラスを見せたら、翔くんは明らかに警戒を解いた。

「窓の側には行かないで」

「うん、ごめん」

心配してるんだよね。

おいらが飛ぶんじゃないかって。





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