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夜の影

第3章 First kiss

【智side】

「ぅ、んん」

手を伸ばしてショウの頭に添えて、片手で頬を撫でてやる。
そのまま指を滑らせて、耳に触れた。

耳の中でカサカサ音がするように、指を動かす。
耳朶を指の間にはさんで、また耳の凹凸をなぞる。

「ん…」

俺の胸を押していた手から力が抜けたのを見計らって、噛みついていた 舌 を解放した。

「はっ、ん…」

閉じようとする 唇 を割って、こちらから 舌 を入れる。
さっき噛んでいた痕を撫でるようにゆるゆると動かす。

唾 液 の絡む音が響く中、ショウが再び目を閉じた。

「んっ…はっ…」

耳を 弄 っ て いる指に、ショウの頭が傾く。
口 づ け を深くしようとして、唇 が 開く。

させないよ。

今度は、そっと、短く。
吸っては離すのを繰り返した。
俺、舌 を絡めるより、こっちの方が好きなんだよね、実は。

「は…ん…」

やべ、可愛いかも。







しばらく 唇 が 吸 い 合 う 音と感触を楽しんでたら、ショウが 懲りずに舌 を入れようとしてきたから。
耳を 弄 っ て いた手で髪をギュッと掴み、頭を離した。

「あっ」

口 を 半 開 き にしたまま顎を上げて、露わになった喉元がピンクに染まってた。

「シャワー浴びてきな」

言って手を髪から抜き、躰 を押してやると、ショウは手の甲で 唇 を拭った。

尻 ポケットから俺がさっき渡した金を出して、テーブルにバチンと置く。

俺を睨んでる顔が泣きそうだ。

「わかったよ、ここに居ればいい」

笑いかけたら、プイッと背を向けて、浴室へズカズカ歩いて行った。







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