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夜の影

第16章 明日の記憶

【翔side・ジョウシマ語り】

翔君は妹さんと弟さんが居るし、智君は和也君のことを放っては置かんやろ。

智君のことを無かったことにしたないんやったら。

一人でさみしさと向き合わなあかん。

ホンマはさみしないんや、って気がつかなあかん。

お互いに抱えてるものがあるのに、
相手にさみしさを埋めてもらうわけにはいかんやろ?



…人間はなぁ、二人で一つにはなれんもんや。

特に男同士はな。

凹凸が噛み合わんし(笑)。

一人と一人で二人。



相手が転んだ時にな、痛みを分かち合おうとして一緒に転びたい。

痛みを分かって欲しくて、二人三脚みたいに結びたい。

でもな、お互い自分の脚でしっかり立ってな?

並んで歩く、ゆう選択もあるんよ。

お互いに見守って、手ぇは出さんとな?

信じて傍に居ったらええねん。



翔君は、ホンマの自立が出来る子ぉや。

ワシはそう思う。



そんなさみしい顔で、智君に会うたらあかんよ。

智君の笑顔、見たいと思うやろ?

智君もな、翔君のホンマの笑顔、見たいと思うで。

な?









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