夜の影
第4章 イン・ザ・ルーム
【翔side】
シャワーを浴びて戻るとサトシは入れ違いで浴室へ向い、俺は二宮君に別室へ連れていかれた。
ベッドしかない部屋。
申し訳程度に、ベッドサイドチェストがあってシェードのついたランプが乗ってる。
ベッドの頭がある壁には、絵が一枚かかっていた。
複製画だと思うけど、アートに疎い俺には、誰の作品なのかはわからない。
ピンクとオレンジとゴールドの光が斜めに差す背景に、人のような形をした何かが光に向かって上昇して行くように見える絵だ。
見ているとちょっと引き込まれると言うか、触ってみたくなる感じがした。
右側の壁に作りつけられたクローゼットの扉は、悪趣味な鏡張り。
ベッドの左側はベランダに出る掃き出し窓。
「荷物はクローゼットに入れてください
お口に合うかわかりませんが、ブランデーです
良かったらどうぞ」
二宮君がチェストに酒の支度がしてあるトレーを置く。
俺は了解の意思表示で頷いた。
二宮君と話すことまでは禁じられていなかったが、自分がこれからすることを知られているのだと思うと何となく話しかけにくい。
「当面の間は、ここが翔さんの部屋です
社長から説明があったと思いますが、
智が居る間は、彼の指示に従ってください
何か質問はありませんか?」
黙って首を横に振ったら、クスッと笑われた。
「私とは話してもいいんですよ?」
「……いえ、特に何も……」
「…………」
まだ何かあるのか?
「…いいえ
アナタがちょっと羨ましい気がしただけです」
口元は笑っているのに、悲しいような目つきをして言うと、彼は部屋を出て行った。
それにしても、サトシといい二宮君といい、ここの連中は人の心の中が読めるのか?
アウェーだから仕方ないが、常に先読みされてるようで、居心地が悪い。
取り敢えず荷物をクローゼットにしまって、椅子もないからベッドに腰掛けた。
酒を飲もうか迷っていると、サトシが戻ってくる。
早っ。
シャワーを浴びて戻るとサトシは入れ違いで浴室へ向い、俺は二宮君に別室へ連れていかれた。
ベッドしかない部屋。
申し訳程度に、ベッドサイドチェストがあってシェードのついたランプが乗ってる。
ベッドの頭がある壁には、絵が一枚かかっていた。
複製画だと思うけど、アートに疎い俺には、誰の作品なのかはわからない。
ピンクとオレンジとゴールドの光が斜めに差す背景に、人のような形をした何かが光に向かって上昇して行くように見える絵だ。
見ているとちょっと引き込まれると言うか、触ってみたくなる感じがした。
右側の壁に作りつけられたクローゼットの扉は、悪趣味な鏡張り。
ベッドの左側はベランダに出る掃き出し窓。
「荷物はクローゼットに入れてください
お口に合うかわかりませんが、ブランデーです
良かったらどうぞ」
二宮君がチェストに酒の支度がしてあるトレーを置く。
俺は了解の意思表示で頷いた。
二宮君と話すことまでは禁じられていなかったが、自分がこれからすることを知られているのだと思うと何となく話しかけにくい。
「当面の間は、ここが翔さんの部屋です
社長から説明があったと思いますが、
智が居る間は、彼の指示に従ってください
何か質問はありませんか?」
黙って首を横に振ったら、クスッと笑われた。
「私とは話してもいいんですよ?」
「……いえ、特に何も……」
「…………」
まだ何かあるのか?
「…いいえ
アナタがちょっと羨ましい気がしただけです」
口元は笑っているのに、悲しいような目つきをして言うと、彼は部屋を出て行った。
それにしても、サトシといい二宮君といい、ここの連中は人の心の中が読めるのか?
アウェーだから仕方ないが、常に先読みされてるようで、居心地が悪い。
取り敢えず荷物をクローゼットにしまって、椅子もないからベッドに腰掛けた。
酒を飲もうか迷っていると、サトシが戻ってくる。
早っ。