夜の影
第31章 RIGHT BACK TO YOU
【紀之side】
滲み出る雫を指先に集めて、智の入り口を撫でた。
意識がそこに向かないように、胸にある小さな突起の方を柔らかく吸って。
「あ、ん……」
舌で転がしながら、同時にヌメリをまた移し取って、塗り、解いていく。
「な、に……?」
声に頭を上げると、上気した顔で、ぽやんと俺を見ていた。あまりに可愛らしくて、思わず頬が緩む。
自分の空いている方の手を、智の手に重ねた。
「シーッ、喋るな。俺の舌だけ感じてろ」
不思議そうに見ているのに口づけて舌を入れ、上顎を舌先で撫でる。
そのまま入口に当てていた指をゆっくり沈めた。
「んんっ」
簡単に見つかった躰の中のシコリ。
ジワッと押して圧をかける。
「んっ」
ゆっくり戻して、また押していく。
「……あぁ」
顔が逃げようとするから、舌を絡めた。
重ねていた手を握ってやる。
握り返して来た指に力が入るが、俺は智の中で刺激するのをやめない。
「んんっ……あっ……あぁ……」
キスに応えられなくなった智が顔を外した。
すかさず耳元で呼ぶ。
「智、イイコだ」
「あっ」
「そのまま力を抜いてろ。
俺がお前の中に入り易いように、柔らかくしてる。
大丈夫だ」
頷いたから、手を離して起き上がった。
オイルのボトルを開けて、入れた指の上から垂らす。
智の躰がビクンと震えた。
一度指を出してから数を増やすと、ギュッと目を閉じ、眉根に皺を寄せる。
「息、吸って」
言いながら中のシコリを押して。
「吐いて」
呼吸に合わせて押していた指を戻してやる。
「あ、ん、なん、か、変……」
「イイコだな。喋るな。吸って」
「…………」
外からも、入れた指の上、入口の上部を擦る。
中はソフトに、外は強めに。
「ん……やぁ……」
「シーッ」
制して、立ち上がっているものを口に含んだ。
ゆるゆると頭を上下に動かす。
「ああっ……あっ、んっ……」
声に甘さが混じって来る。
今まで誰にも触れられたことのない躰を開くには、違和感と同時に快感を与え続けないと、入れた時に痛みが辛い。
俺達の間に、愛と呼べるものはないのだから。
智は俺を信じると言った。
信頼と愛は同義だろうか。
心を開いていないのは、俺の方だ。
俺には、愛に似た何かしか与えてやれないが。
せめて今だけでも。
智、お前を慈しんでやろう。
滲み出る雫を指先に集めて、智の入り口を撫でた。
意識がそこに向かないように、胸にある小さな突起の方を柔らかく吸って。
「あ、ん……」
舌で転がしながら、同時にヌメリをまた移し取って、塗り、解いていく。
「な、に……?」
声に頭を上げると、上気した顔で、ぽやんと俺を見ていた。あまりに可愛らしくて、思わず頬が緩む。
自分の空いている方の手を、智の手に重ねた。
「シーッ、喋るな。俺の舌だけ感じてろ」
不思議そうに見ているのに口づけて舌を入れ、上顎を舌先で撫でる。
そのまま入口に当てていた指をゆっくり沈めた。
「んんっ」
簡単に見つかった躰の中のシコリ。
ジワッと押して圧をかける。
「んっ」
ゆっくり戻して、また押していく。
「……あぁ」
顔が逃げようとするから、舌を絡めた。
重ねていた手を握ってやる。
握り返して来た指に力が入るが、俺は智の中で刺激するのをやめない。
「んんっ……あっ……あぁ……」
キスに応えられなくなった智が顔を外した。
すかさず耳元で呼ぶ。
「智、イイコだ」
「あっ」
「そのまま力を抜いてろ。
俺がお前の中に入り易いように、柔らかくしてる。
大丈夫だ」
頷いたから、手を離して起き上がった。
オイルのボトルを開けて、入れた指の上から垂らす。
智の躰がビクンと震えた。
一度指を出してから数を増やすと、ギュッと目を閉じ、眉根に皺を寄せる。
「息、吸って」
言いながら中のシコリを押して。
「吐いて」
呼吸に合わせて押していた指を戻してやる。
「あ、ん、なん、か、変……」
「イイコだな。喋るな。吸って」
「…………」
外からも、入れた指の上、入口の上部を擦る。
中はソフトに、外は強めに。
「ん……やぁ……」
「シーッ」
制して、立ち上がっているものを口に含んだ。
ゆるゆると頭を上下に動かす。
「ああっ……あっ、んっ……」
声に甘さが混じって来る。
今まで誰にも触れられたことのない躰を開くには、違和感と同時に快感を与え続けないと、入れた時に痛みが辛い。
俺達の間に、愛と呼べるものはないのだから。
智は俺を信じると言った。
信頼と愛は同義だろうか。
心を開いていないのは、俺の方だ。
俺には、愛に似た何かしか与えてやれないが。
せめて今だけでも。
智、お前を慈しんでやろう。