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夜の影

第13章 サヨナラ

【智side】



「イ け そ う で イ け な い?
もっと味わってみな」



腕で 躰 を 支えられなくなって、 シ ー ツ に 額を押し付けながら。

ショウの頭が、イヤイヤをするみたいに左右に動く。



ほら、気 持 ち い い だろ?



「ああっ」



シ ー ツ に 皺 が 大きく寄って。



「あっ、ああっ、あ、サト、あああっ!」



中 が これまでと違う感触で 蠢 い た と思ったら、きゅううって 締 め 付 け られた。

咄嗟にショウの 前 を 握 っ て やったら、そこは大して固くもなくて。

吐 き 出 さ ないままでショウは 達 し た。



「ああ...」



すげぇ、いい...。



躰 の硬直が緩んだ後、シ ー ツ に 頬を押し付けて荒い息を吐いているのを、また 揺 す っ た。

ショウの声はもうしない。

反応がなくなって失 神 してるのが分かったから、そのまま、体勢を 座 っ て る 形 に変えた。

キリがねぇな(笑)。



「…ショウ?」



後ろから 抱 き し め ながら。

首 筋 に 舌 を 這 わ せ て 耳元で言っても、ショウは動かない。

聞こえていないのがわかって、安心した。



「ショウ、愛してる…」



横にずれそうになるショウの 躰 を 抱 き かかえて、頭を静かに俺の方に寄せる。

涙で濡れてる頬に キ ス をして。

ショウの 中 心 を そっと 握 っ た。



「ショウ」



愛しくて、名前を呼んで、また頬に 口 付 け る。

握 っ て る 手 を ゆるゆると動かしながら、心の中で話しかけた。



ショウ、ごめんな。

これじゃぁ、明日から、しばらく動けないよなぁ?



ここ、他の奴に触らせんなよ、と普通に思って。

我ながら、何だそれ?と自分に突っ込んでしまい可笑しかった。



「ショウ」



俺はお前のこと、忘れないよ。



「ショウ」



元気で。



夜の隙間で、ひっそりと名前を呼び続けた。













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