
闇に咲く花~王を愛した少年~
第5章 闇に散る花
眼裏に光宗の優しい笑顔が浮かぶ。
こんなことなら、たとえ男だと知られても構わないから、あのひとに抱いて貰えば良かった。永遠に逢えなくなったとしても、ちゃんと抱いて貰っていれば良かった。
「そうだ、それで良い。恋い慕う男の貌を思い浮かべながら、私に抱かれるが良い。それが、そなたへの何よりの仕置きとなろうぞ」
誠恵の心など端からお見通しだと言わんばかりに、尚善が会心の笑みを刻む。
チョゴリの紐が解かれ、上着が剥ぎ取られた。胸に巻いた布まで外され、詰め物が現れる。それを見た尚善は嘲笑うように笑い、手に取って脇へ放り投げた。
平たい胸の先にひそやかに息づく淡い蕾ををそっと摘んで指先で捏ねる。
「ああっ」
痛みと同時に甘い痺れのようなものが全身を駆けめぐり、誠恵は声を上げた。それは自分の声とは思えないような、まるで見知らぬ誰かの嬌声だった。
こんな声を聞いたことがある。そう、月華楼の男娼たちが客と褥を共にする夜、こんな声を上げていた。先輩たちが客の相手をしているところを実際に見たことはないけれど、廊下越しに洩れる艶めかしい声を耳にしたことは何度もあった。
「ホホウ、これは、なかなか可愛らしい反応を示してくれる」
尚善は上機嫌で言い、何度も誠恵の胸の先端を弄んだ。その度に、誠恵は甘い喘ぎ声をを上げる。
「良いか、情けは無用、かえって生命取りになることを忘れるでない。もう一度だけ機会をやろう。だが、二度めはあると思うな。今度、裏切れば、そなたはむろん家族の生命はないものと承知しておろな。肝に銘じておけ」
酷薄な声が耳許で囁いた。
弄られてすぎて真っ赤に腫れた先端を甘噛みされたときは、羞恥と快感の狭間で身を捩らせてもんどり打った。
―殿下、私はこの場で死にとうございます。
誠恵は大粒の涙を流しながら、酷い責め苦を受け続けた―。
その日、夜の帳が降りようとする時刻に、誠恵は宮殿に戻った。
孫尚善の仕打ちは、あまりにも残酷すぎた。誠恵はおよそ半日、二階の一室で尚善に犯されて続けた。それは、まさしく折檻と呼べる性交だった。
こんなことなら、たとえ男だと知られても構わないから、あのひとに抱いて貰えば良かった。永遠に逢えなくなったとしても、ちゃんと抱いて貰っていれば良かった。
「そうだ、それで良い。恋い慕う男の貌を思い浮かべながら、私に抱かれるが良い。それが、そなたへの何よりの仕置きとなろうぞ」
誠恵の心など端からお見通しだと言わんばかりに、尚善が会心の笑みを刻む。
チョゴリの紐が解かれ、上着が剥ぎ取られた。胸に巻いた布まで外され、詰め物が現れる。それを見た尚善は嘲笑うように笑い、手に取って脇へ放り投げた。
平たい胸の先にひそやかに息づく淡い蕾ををそっと摘んで指先で捏ねる。
「ああっ」
痛みと同時に甘い痺れのようなものが全身を駆けめぐり、誠恵は声を上げた。それは自分の声とは思えないような、まるで見知らぬ誰かの嬌声だった。
こんな声を聞いたことがある。そう、月華楼の男娼たちが客と褥を共にする夜、こんな声を上げていた。先輩たちが客の相手をしているところを実際に見たことはないけれど、廊下越しに洩れる艶めかしい声を耳にしたことは何度もあった。
「ホホウ、これは、なかなか可愛らしい反応を示してくれる」
尚善は上機嫌で言い、何度も誠恵の胸の先端を弄んだ。その度に、誠恵は甘い喘ぎ声をを上げる。
「良いか、情けは無用、かえって生命取りになることを忘れるでない。もう一度だけ機会をやろう。だが、二度めはあると思うな。今度、裏切れば、そなたはむろん家族の生命はないものと承知しておろな。肝に銘じておけ」
酷薄な声が耳許で囁いた。
弄られてすぎて真っ赤に腫れた先端を甘噛みされたときは、羞恥と快感の狭間で身を捩らせてもんどり打った。
―殿下、私はこの場で死にとうございます。
誠恵は大粒の涙を流しながら、酷い責め苦を受け続けた―。
その日、夜の帳が降りようとする時刻に、誠恵は宮殿に戻った。
孫尚善の仕打ちは、あまりにも残酷すぎた。誠恵はおよそ半日、二階の一室で尚善に犯されて続けた。それは、まさしく折檻と呼べる性交だった。
