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闇に咲く花~王を愛した少年~

第4章 露見

 花のような笑顔でそう言い、手ずから誠恵の涙を拭いてくれた誠徳君。
 誠恵は眼を瞑り、唇をきつく噛みしめる。
 できない、できるはずがない。
 誠恵は眼をゆっくりと開き、王子の涙をそっと拭った。
 まるで眼にしたくないものから遠ざかるように、そのまま王子を残して走り去った。

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