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闇に咲く花~王を愛した少年~

第4章 露見

 が、何の罪もない一人のいたいけな少女を薄汚い野望に巻き込み、その人生を大きく狂わせた領議政は、逆に自分が殺してやりたいほど憎かった。
 緑花は直前で、領議政を裏切ろうとしたのだろう。だが、できなかった。
 緑花の人となりをよく知る彼は、それが当然のことに思えた。あの心優しい娘に幼い王子を殺せるはずがない。しかも、世子は緑花を実の姉のように慕っていたのだ。彼女もまた世子を弟のように可愛がっていて、二人の仲睦まじさは、大人げないと思いながらも光宗さえ妬けるほどだった。
 このままでは、緑花の身に危険が及ぶかもしれない。
 光宗は強い危機感を抱いた。
 領議政は自分を裏切ろうとした者を見逃すほど、甘い男ではない。
 光宗は、いまだ気絶したままの世子を抱き、急ぎ足で大殿に急いだ。

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