my destiny
第5章 風の中のキャンドル
【智side】
隣にエンケンさんも居る。
それ、ドラマが違うよ。
混ざってる。
「貴方の上司役の男性と、
口の悪い女の子の姿もとれるんですけどね
混乱しないように、これで統一してるんです」
エンケンさんが言う。
「オイラ、死ぬの?」
面倒だから前置きなしで話しかけた。
「それは君が選ぶんだよ
今回の人生でやらなければならなかったことは
大方終わったからね
ここまでにしようと思えば、
そう出来るタイミングではある
本人が納得し受け入れた時に一生を終えるんだ
このままだと君は枯れてしまう方向へ行ってる
もし君がもっと生きたいと願うならば、
今ならまだ間に合う
だから我々は、今、君にコンタクトしている」
神様の声は、何故か潤んでいるように聞こえる。
「私達は君を助け、導くために居るんです
いつもずっと一緒にいましたから
貴方の感情を、私達も一緒に味わっているんですよ
それが私達の役目なんです」
エンケンさんは目を真っ赤にしていた。
「ふぅん…」
二人は痛々しいほど悲しみを露わにしているのに、その姿を見てもオイラは何も感じない。
目を合わせて会話する気にもならなくて、ドライアイスが焚かれたセットの床に、ただ膝を抱えて座ってる。
ドラマでは、雲の上から下界を見下ろすような雰囲気のセットだったけど、今ここからは、煙の中に何も見えなかった。
隣にエンケンさんも居る。
それ、ドラマが違うよ。
混ざってる。
「貴方の上司役の男性と、
口の悪い女の子の姿もとれるんですけどね
混乱しないように、これで統一してるんです」
エンケンさんが言う。
「オイラ、死ぬの?」
面倒だから前置きなしで話しかけた。
「それは君が選ぶんだよ
今回の人生でやらなければならなかったことは
大方終わったからね
ここまでにしようと思えば、
そう出来るタイミングではある
本人が納得し受け入れた時に一生を終えるんだ
このままだと君は枯れてしまう方向へ行ってる
もし君がもっと生きたいと願うならば、
今ならまだ間に合う
だから我々は、今、君にコンタクトしている」
神様の声は、何故か潤んでいるように聞こえる。
「私達は君を助け、導くために居るんです
いつもずっと一緒にいましたから
貴方の感情を、私達も一緒に味わっているんですよ
それが私達の役目なんです」
エンケンさんは目を真っ赤にしていた。
「ふぅん…」
二人は痛々しいほど悲しみを露わにしているのに、その姿を見てもオイラは何も感じない。
目を合わせて会話する気にもならなくて、ドライアイスが焚かれたセットの床に、ただ膝を抱えて座ってる。
ドラマでは、雲の上から下界を見下ろすような雰囲気のセットだったけど、今ここからは、煙の中に何も見えなかった。