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my destiny

第6章 Pray

【翔side】

俺の大好きな、甘い匂いを 吸 い 込む。

貴方の匂い。

柔らかな 耳 朶 を 口 に含んで、軽く 吸 う 。


「…ん…」


くすぐったいのか、顔が横を向いた。

頬の傷を何度か 撫 で て いたら。

貴方は一つ大きく息を吸って、ゆっくり 吐 き 出 し た。

続く穏やかな呼吸。

過ぎてしまった痛みも、傷も。

俺に移ってくれたらいいのにね。

耳の凹凸を、指の背でゆっくりなぞる。


「………」


唇 が薄く開いて、白い歯が覗く。

安らかな寝顔。

まだ、起こしたくない。





耳を 弄 り ながら。

また 口 づ け を落とす。

耳の下に。

首筋に。

喉に。

鎖骨に。

愛してる、って言う代わりに。





俺が体を起こすと 布 団 がめくれた。
両手で優しく貴方の 体 を 撫 で る。

ここに居るのを確かめる。

冷えてしまわないように。
消えてしまわないように。

両肩を掌で包んで。

二の腕から肘へ。

肘から手首へ。

何度か繰り返す。

いつの間に、手首が細くなって。






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