甘い鎖 ~アイツの愛という名の鎖に、縛られ続けたオレは……~
第3章 二人、外では…
オレの実の両親だ。
しかし二人はオレに気付かず、満面の笑みで光雅に近寄る。
店員達が道を開ける。
…何だかこういう光景、前に見たことがある。
ドラマか映画だったかな?
「来てくれて嬉しいよ。今日は買い物かい?」
「欲しい物があったら遠慮なく言ってね? お金のことはもちろん気にしなくて良いから」
と、オレの存在は完璧蚊帳の外で、話は進む。
思わず深いため息が漏れる。
「はー」
もうこの光景も見慣れてしまった。
子供の頃はそれなりに傷付いたりもした。
しかし慣れとは恐ろしいモノ。
いや、悟りと言った方が正しいのかもしれない。
もうこの両親には期待しないでおこうと決めた時、両親がオレに期待していないことも悟った。
どう足掻いたって、上という光雅の存在がいる。
だからオレはダメなんだって、二人の中では決定付けられていることを、オレは気付いてしまった。
だからもう…二人には親としての愛情なんていらない。
二人がすでにオレに期待していないように、オレも止めたんだ。
愛情を求めることを―。
「今日は綾の私服を買いに来たんですよ。今度の食事会で着る物をね」
そう言って光雅が壁にいるオレに視線を向けて、やっと二人は気付いた。
「おや、綾。そんな壁際に何でいるんだ?」
「そうよ、こっちいらっしゃい」
二人に手招きされて、オレは背を浮かせた。
「久し振り。二人とも元気そうで何より」
「お前もな。まあ光雅くんに任せているから、大丈夫だろうがな」
「光雅くん、しっかりしているから」
そう言って話しかけるのは光雅に向かって、だ。
…こんな光景を望んで見たくはなかった。
しかし二人はオレに気付かず、満面の笑みで光雅に近寄る。
店員達が道を開ける。
…何だかこういう光景、前に見たことがある。
ドラマか映画だったかな?
「来てくれて嬉しいよ。今日は買い物かい?」
「欲しい物があったら遠慮なく言ってね? お金のことはもちろん気にしなくて良いから」
と、オレの存在は完璧蚊帳の外で、話は進む。
思わず深いため息が漏れる。
「はー」
もうこの光景も見慣れてしまった。
子供の頃はそれなりに傷付いたりもした。
しかし慣れとは恐ろしいモノ。
いや、悟りと言った方が正しいのかもしれない。
もうこの両親には期待しないでおこうと決めた時、両親がオレに期待していないことも悟った。
どう足掻いたって、上という光雅の存在がいる。
だからオレはダメなんだって、二人の中では決定付けられていることを、オレは気付いてしまった。
だからもう…二人には親としての愛情なんていらない。
二人がすでにオレに期待していないように、オレも止めたんだ。
愛情を求めることを―。
「今日は綾の私服を買いに来たんですよ。今度の食事会で着る物をね」
そう言って光雅が壁にいるオレに視線を向けて、やっと二人は気付いた。
「おや、綾。そんな壁際に何でいるんだ?」
「そうよ、こっちいらっしゃい」
二人に手招きされて、オレは背を浮かせた。
「久し振り。二人とも元気そうで何より」
「お前もな。まあ光雅くんに任せているから、大丈夫だろうがな」
「光雅くん、しっかりしているから」
そう言って話しかけるのは光雅に向かって、だ。
…こんな光景を望んで見たくはなかった。