CHOCO❤︎LAVE
第14章 手がかり
聖輝「うわぁ…広い……」
用意されたお部屋はこのホテルの中で一番綺麗で豪華なスイートルームだった。
大野「どう?気に入ってくれた?」
聖輝「はい…こんな綺麗なお部屋初めて見ました…」
すごい…!!
テレビで見るような豪邸の一室みたい…
さすがスイートルーム…
大野「涼野くん、俺がここに連れてきた理由なんだけど…」
聖輝「あっはい…」
大野「涼野くん、ストーカー被害が無くなるまではここにいた方がいい。」
聖輝「えっ?」
大野「今は夏休みだし、ここだったら涼野くんの家もバイト先もそんなに遠くないでしょ?」
聖輝「そっそうですけど…えっ、僕…この部屋に泊まるってことですか?」
大野「うん。」
聖輝「おぉ…」
綺麗なスイートルームにお泊まりなんて…
聖輝「…って、無理無理!無理ですよ!!だって…何日も泊まったら宿泊代が…」
大野「そこは心配しなくても大丈夫、俺が払うから。」
聖輝「なっ?!ダメですよ!!そこまでしてもらう義理なんて…」
大野「涼野くん。」
ガシッ
大野「俺は涼野くんの事がすごく心配なんだよ…」
聖輝「えっ…」
大野「翔くんから話聞いて…1日でも早く安心させてあげたいって思ったんだ。」
大野「そりゃあ一番安全なのは犯人を見つけて警察に突き出すことだけど…今、俺ができる事って言ったらこれくらいしかないから…」
聖輝「大野さん…」
大野「このホテル、送迎のサービスもあるから…バイトがあまりにも夜遅くなる場合は利用したらいいよ。」
大野「涼野くんの家もバイト先も近場だからすぐに送迎に来てくれるよ。」
聖輝「……。」
大野「涼野くん…?」
聖輝「…あっ、ごめんなさい!涙が勝手に…」
大野「…ごめんね、辛いよね…」
聖輝「いえ…僕の為にここまでしてくれて…嬉しいです…」
大野「…涼野くん…」
ぎゅっ
大野「絶対に…この恐怖から助け出してあげるから…」
大野「時間はかかるかもしれないけど…必ず…安心させるから…」
聖輝「…っ…はい……」
僕は大野さんをそっと抱きしめた。