
CHOCO❤︎LAVE
第3章 親密
「……。」
男性は何も言わず、僕の方をじっと見つめている。
相当濡れたんだろう…
顔がよく見えないほど髪の毛がぺちゃんこになっていた。
聖輝「あの…コンビニかどこかで傘を買った方が」
「…俺、急いでるから…」
男性はその場を離れようとした。
聖輝「あっあの!じゃあこれ、使ってください!」
「えっ?」
聖輝「雨、止みそうにないので…」
「いや、でも…」
聖輝「それに僕、折りたたみ傘持っているので…この傘使ってください。」
「……。」
男性は何も言わずに僕の傘を受け取った。
聖輝「じゃあ…お気をつけて…」
バサッ
僕は手持ちの折りたたみ傘を開いて駅の方へと向かった。
ふと後ろを向くと、男性はまだ突っ立ったままだった。
聖輝「あっあの…」
「……。」
聖輝「家に着いたらちゃんと温かいお風呂に入ってくださいね。」
「……。」
僕はお辞儀をして、その場を離れた。
