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愛が、はじまるとき 「改訂版」

第1章 愛が、はじまるとき 「改訂版」

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 そう言ってくれていたから、付き合っていた彼のことが、もう、自分でも、どうしたらいいのかわからなくなり、姉よりも、満さんに相談しようと思った。
 ほとんど初対面なのに、わたしに悩みがあるのがわかったのは、人間観察の眼がすぐれているからだと、思ったからだ。
 「わたし、
  彼がわからないんです」
 「どういうところが?」
 「自分勝手すぎるんです」
 「もっと、
  具体的に話せますか?」
 「いちばんそう感じるのが、
  あのときなんです。
  恥ずかしい…」
 「里美さんが、
  言いにくかったら、
  言わなくてもいいですよ
 「でも、
  それを言わなければ、
  先生に、
  伝わらないと思いますので」
 「じゃあ、
  言いにくいところは、
  ぼかしてもいいですから、
  言えるところまで、
  言ってみてください」

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