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でも、愛してる 「改訂版」

第1章 でも、愛してる 「改訂版」

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 「いままでの、
  世界的な発明でも、
  誰も考えていなかったような、
  大胆な発想からうまれたことが多いと、いうでしょう」
 「そういうね」
 「でもね、
  大胆な発想は、
  すてることになるものが多いの」
 「99%の失敗があっても、
  あとの1%から、
  成功がうまれるともいうんじゃないの?」
 「そうなんだよね。
  科学の進歩は、
  結果からみると、
  とてもはやく進んでいるようにみえるけど、
  そのかげには、
  とんでもない努力が隠れているいるんだよね」
 「おっ、
  科学者萌絵の、
  名言」
 こんなふうに、清は、よく褒めてくれる。
 わたしは、褒められると、どう返していいかわからないので、「そんなに褒めないで」と言うけど、褒められるのは、やはり嬉しい。
 わたしも含めて子どもたちも、褒める。
 いいことだと思う。
 それも、わたしが、清を好きな理由の一つだ。
 子どもたちも、彼が褒めると、ほんとに嬉しそうな顔をする。

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