明日への扉 ~~ 伝えたい気持ち
第2章 邂逅(かいこう)編 ここから全てが始まった
「―――― あちぃ~……さみぃ~……
躰もめっちゃだりぃーし、マジやばいぞこりゃ
完全に風邪こじらせたな……」
記念式典の打ち合わせ最中から少し様子の
おかしかった俺を気遣って、
先生は何度も校内の保健室で休んで行くようにと
勧めてくれたが、
生来他人に借りを作ったり、
弱みを見せるのが大嫌いなこのへそ曲がりは
足元だっておぼつかないくらいフラフラなのに
バカな意地を張って先生からの厚意は丁重に断り、
職員室のある事務棟からやっとの思いで出てきて
校舎沿いの遊歩道をフラフラ歩いている。