明日への扉 ~~ 伝えたい気持ち
第2章 邂逅(かいこう)編 ここから全てが始まった
私立祠堂学院大学・芝浦港南キャンパス ――
現在時刻は午後5時半
普段なら部活等で校内に居残っている
学生も居るのだろうが、
あいにく今は試験休みの真っ最中で、
学生はおろか教職員の姿さえ見かける事もない。
まぁ、仮に誰かが居残っていたとしても、
今にも行き倒れそうな見ず知らずの
おっさんを助けてやろうなんて物好きはいない
だろう。
この芝浦港南キャンパスは、
祠堂学院大学の数あるキャンパスでも
最大の在籍学生数を誇り
法学部、医学部、薬学部、文学部、藝術学部、
経済学部、教育学部、が入っている。
”全ての子供へ平等に充実した学習環境を”
という理念の元、敷地及び校舎を拡張に
次ぐ拡張でどんどん広げ、
在校生&卒業生曰く
” 無駄にだだっぴろい! ”
と言われている、現在の規模になった。
例えば、その広さを分かり易く
説明するなら ――――
東京ドームが楽に5~6個は作れるくらい、
という事になるだろう。
ちなみに、勤続10年以上の古株の教職員でさえ、
まだ一度も行った事のないエリアや
入った事のない教室があるくらいだ。
2021年度・2月末現在、
総教職員数は産休又は育児休暇の代替教師も
含め合計で約**名。
在籍学生数は全学部合計で約1000名。
都内随一のマンモス校である。