明日への扉 ~~ 伝えたい気持ち
第6章 その夜
「んーもうっ! ユーリってばいつまで
落ち込んでる気ぃ?」
「ん~……分かっちゃいるんだけどねぇ~……」
「気持ち切り替えてさっさと寝なよ。そんな風だと
また明日も失敗するよー。じゃ、お休みぃ」
「ん、ありがとね。お休み」
あぁ~~、それにしても……思いっきり凹む……。
何時にも増して ”ダメダメ” な1日だった。
今日は左門さんの体調があまり良くなかった事も
あり、いつもより1時間早く店じまいした。
愛実だって、結局何をしに来たのか?
分からなかったが、情けない従姉妹に対して
呆れていたのは間違いないだろう……。
プププッ プププッ プププッ ――――
(施設での生活ではスマホ等生活必需品以外の
モノはほとんど”贅沢品”と見做され、
バイトしたお金で購入したとしても
事務所預かりになるが、退所を控えた者に限り
特例で居室での使用が認められている)
スマホの通話着信。
ん? 誰だろ……
ロクに発信者名も見ず出てたら ――