テキストサイズ

明日への扉 ~~ 伝えたい気持ち

第2章 邂逅(かいこう)編 ここから全てが始まった


 さてさて、問題の行き倒れ寸前の
 おっさん・各務 柊二 ―― は、
 やっとの思いで辿り着いた校門にもたれかかるよう
 立ち止まり、はぁ~~っと大きくため息をついた。


 ”―― でー、これからど~する? 俺……
  ここからだと自宅までは歩いて20分ってトコ
  だが ―― 果たして、それまで
  持ち堪えられるかぁ?…… ”
 

 さぁて、ど~したものやら……と、
 まるで人事のようにぼんやり考え
 半ば途方に暮れ、立ち尽くしていると、
 後方から

 ”タッ タッ タッ ―――” と、

 小走りに近づいてくる人の気配があって、


「あ、あのぉ ―――― 」


 ”やっべぇ……
  目ぇまで霞んできやがった……”


「―― あのぉ、
 どこかお加減悪いんですか?」


 そう言って、
 学生風の娘が傍らで立ち止まった。


 ”あーー? これで元気ハツラツにでも
  見えるかぁ?? ”


 その娘と視線が合ったところで、
 柊二はとうとう意識を手放した。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ