たけるとみかる―双子みたいな幼なじみ―
第9章 杉並実果留・特別編
アレのことが一向に頭から離れず。それでも何とか勉強を続けた。
今何時かな……かなり時間が経ったように思えたけど、時計を見たらまだ四時にもなってなかった。
まだ二人きりの状況は続きそう……
「あの、さ……実果留……」
「っ、ん?」
武が急に改まった態度を取った。
それが私にはあの合図としか思えず、ドキリとしてしまった。
「ちょっと、いいか?」
「え……う、うん……」
やだ。ホントに? ホントに……アレをするつもりなの?
まだわからない……だけど、どうしてもアレのことしか思い浮かばない。
「俺達さ……付き合って、三ヶ月経ったよな?」
ドキン……。
「うん……」
「それで……さ」
「う、うん……」
「したいことがあるんだけど……ちょっとだけ、目をつむっててくんね?」
ドキィーンッ!
「え……えぇ!?」
したいことって……それってやっぱり……アレのことじゃん!
「そんな警戒すんなよっ。別に、イタズラとかするんじゃねぇしっ」
「じゃ、じゃあ……何すんのっ?」
「それは内緒。いいから目をつむれって」
「えー……」
「早くっ」
武は強引に促してくる。
「わ……わかった」
私は武に負けて、ゆっくりと目をつむった。