たけるとみかる―双子みたいな幼なじみ―
第9章 杉並実果留・特別編
「…………っ」
武が近づいて来てる気配がするっ……。
うわぁ……ホントにどうしよう。
心の中でオロオロしていると、
私の首回りに、ふわっと温かみを感じた。
武……腕を回してる? と思った次には、
首回りの髪をサラッと触れられる。
わー! や、やっぱりそうなんだっ。
武のことは、もちろん好きだよ?
けどやっぱり……
急に今日って……
無理ぃー!
「た、武っ! 待って!」
「うおっ!」
目を開けて叫んだら、武は驚いて後ろにのけ反った。
「や、やっぱり私っ……まだ心の準備がっ……」
「……はぁ?」
「そ、そりゃあ、私だって、い、いつかは三ヶ月前の続きをシたいとかって、どこかで思ってたけどっ……
で、でもいきなり今日とかって、ちょっと急過ぎ――」
「…………実果留。
お前、さっきから何の話だ?」
「…………は?」
何の話と……私に訊きますか?
「何か勘違いしてそうだなぁ、おい」
「か、勘違い? 私が何を勘違いしてるっての?」
「俺はただ……ソレを付けてたんだよ。首回りをよく探ってみろっ」
「え、ソレ? 首回り?」
イラつく武から言われたとおりに、私は首回りを手探りした。
すると、指に何かが引っ掛かった。