たけるとみかる―双子みたいな幼なじみ―
第9章 杉並実果留・特別編
「悪いけど俺……どんだけ恥ずかしがられても、もう絶対に止められねぇから」
「うん……」
「実果留、好きだ」
「私も、好き……」
改めて気持ちを確かめ合ってから、唇を軽くチュッと重ねると、
「っ、ひゃっ……」
武は片手を私の背中に回して、ブラのホックを摘まんで外した。
締め付けた感じがなくなったと同時に、まだ中途半端に着ていたブラウスごと、スルッと下にずらされる。
「あっ……」
わ……とうとう胸まで見られちゃった。
熱がカァーって、体中に帯びていくのがわかる。
「……武?」
なのに武は、ブラウスとブラを完全に取らずに、じーっと物珍しげに見つめてから、
「エロ」と、一言だけポツリ。
「は、はぁっ?」
胸を見た第一声が、それって……。
「いや。素っ裸よりさ、この半端に服着てる方がエロ感増すなと思って。
それにお前って、Cだよな? ちょうど手にぴったりハマる感じだし。どうだ、当たりだろ?」
「なっ……。もうっ、ムード台無しっ!」
「いって!」
武の胸をドンッとノックしてやった。
確かに、Cだけどっ。
せっかく、甘くてそれらしい雰囲気だったのに、こんな時までふざけるなんてーっ。