たけるとみかる―双子みたいな幼なじみ―
第9章 杉並実果留・特別編
キスをされ続ける中で、目を薄く開けて武を見る。
近すぎて表情なんてわからないけど、目をつむって舌を絡ませる武がやらしすぎて、それから反らすようにまた固く目を閉じた。
武……。
武は出会った時から、私をずっと好きでいてくれた。他のコにも目もくれずに、一途に私を想い続けてくれた。
私が他の人を好きでも、夕崎君と付き合いだしても、
ずっと……ずっと……。
正直、まだすごく恥ずかしいし、どうしたらいいかわからないけど……
武に、応えたい。
私は武を少しだけ押して、顔を離させた。
「はぁっ……たっ……武……あの」
「……何? まだ恥ずかしくて待ってほしい?」
「う、うん。すごく恥ずかしい……だから……」
「……やめてほしい?」
「じゃなくて……掛け布団を、かけてほしい……」
「え?」
ベッドの上で倒されてからそのままでしてるから、私と武はいまだむき出しの状態。
「丸見えだし、このまましていくのって恥ずかしいよ……だから、せめて布団を掛けて?
掛けて……もっと、して?」
っ、うわーっ。大胆なこと言っちゃったっ。
もうっ。武がそう思わせるからいけないんだよ?
また『もっと』って思わせるから、私……。
「っ、実果留……」
武は足元にあった掛け布団を持ち、自分の肩辺りにまで掛けた。
布団の中でお互いの熱がこもってくると、それだけでもう一つになったみたいに思える。
武を、より感じられる。