たけるとみかる―双子みたいな幼なじみ―
第9章 杉並実果留・特別編
「はぁ、はぁ……実果留、そんなとろけた顔反則だって……
もう……マジで限界っ」
「きゃあっ」
そのセリフが合図かのように、武の動きが速くなった。
ちょっ、激しっ……。
「たけるっ……あんっ……あっ、あっ、あぁっ……」
「はぁっ、はぁっ……みか、るっ……」
二人きりの部屋は、ベッドの軋む音と水のような音と、そして私の喘ぐ声と武の息づかいが、ひたすら響き渡っている。
それで作り出された甘い雰囲気が、私と武の高ぶりを加速させる。
「あっ、みかるっ……俺、もうっ――」
「っ、あぁっ……」
私の中で、何かがビクンとした。
それと同時に、動いていた武がピタッと止まり、顔をしかめて声を「うっ」と漏らす。
「た…………たける……」
少し経って、武は私に体重を預けてグッタリとした。
「はぁー……。実果留、出ちまった……」
「え? 出たって……あ」
そっか……出たって、象徴から出るあの液体のことだよね?
てことは……武も『イッた』んだ……。
私の、中で……。
わーっ。そんな風に考えちゃうと、自分がイッたよりもすごく恥ずかしく感じるーっ。