たけるとみかる―双子みたいな幼なじみ―
第5章 杉並実果留・最終話
「……あ……実果留?」
「っ……!」
ウソっ……武っ…………。
真正面から、バッタリと会っちゃった。
あと5・6歩ぐらい歩いたら近づける距離間のところで、私も武も立ち止まった。
いつもこんな時に限って現れる。もうっ、心の準備ぐらいさせてよっ……。
今日の武は、黒のTシャツに膝丈のハーフパンツ。髪は少し寝グセがついている。
いつもなら、その寝グセを指摘しながら髪を撫でて直してあげるんだけど、昨日のことが頭から離れなくて、うかつに触れることなんて出来なかった。
触れるどころか、一歩も近づくことが出来ない。
ど、どうしよーっ……。
私が黙って突っ立ったままでいると――
「……よっ」
と、武か少し笑みを浮かべて、軽く手を上げてきた。
「っ……よっ……」
私も、なんとかマネをした。
ヤバいっ……
これってホントに、どんな態度を取ればいいのっ?