テキストサイズ

初めてのヌードモデル(詩織の回想)

第1章 学校公認のアルバイト


もちろん、スッポンポンよ。
と、友人のK美は言った。

私立の短大に入学して1か月。一人暮らしも軌道に乗り(個人の感想です)、そろそろアルバイトでも探そうと学生課の掲示板を見ていたら、
姉妹校の四年制大学の美術系のゼミが「デッサンモデル」の募集を出していた。条件は水着可。

気になった。詳しく知りたくなった。
だから、入学してから知り合ったK美が教育学部だということを思い出し、学食で会って話を聞いた。

もしかしてハダカ?
という質問の答えが、スッポンポン、というわけだ。

「基本」という言葉が何度も出てきた。
人体表現の基本はヌード。
ヌードがしっかり描けないとコスチューム(着衣像)は描けない。
「似顔絵が上手い」と「絵が上手い」は基本から違う──などと、
いろんな事情でその四年制大学をあきらめたというK美は熱く語った。

それでも、学生が裸になるなんて……と私が言うと、
高校生でも専門課程ならヌード描くんだよ、とK美は言った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ