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愛はあふれる 「改訂版」

第1章 愛はあふれる

         2

 「優希ちゃんだったね」
 「はい
  久村さんですよね」
 「私を知っているの?」
 「久村さんの塾には行かなかったけど
  あたしと同じ字の名前というのは
  知ってたの」
 「そうか
  私は
  君のお父さんから
  聞いたよ」
 「えっ
  いつ」
 「いつだったか
  飲み屋でね」
 「もう
  おしゃべりめ」
 「うちの美人の娘の名前も
  あんたと同じ字を書くんだとね」
 「くそ
  あのハゲ」
 「父親から
  美人と言われて
  怒るの」
 「美人じゃないもん」
 「とんでもない
  優希ちゃんは
  美人だよ」
 「またまた」
 「自分じゃ
  そう思ってないの?」
 あたしは、なんと言っていいかわからず、赤くなってもじもじしてた。

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